2011 Fiscal Year Annual Research Report
青年期アスペルガー障害の社会的環境に対する適応促進プログラムの開発
Project/Area Number |
21530745
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
佐々木 和義 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (70285352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 菜々子 兵庫教育大学, 学校教育学部, 准教授 (80350437)
堤 俊彦 福山大学, 人間文化学部, 教授 (20259500)
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Keywords | アスペルガー障害 / 発達障害 / 成人 / 児童 / 保護者 / 社会適応 / 社会的困難 / 介入プログラム |
Research Abstract |
【研究1】社会的自立アスペルガー成人に半構造化面接を行い,平成21年度(ストレス反応と対処)と平成22年度(表出言語獲得過程)のデータの補充を行った。アニメや辞書などの新たな表出言語獲得モデルとなり,理解には図が主で文が従であるという情報が付け加わった。 【研究2】障害児(者)を同胞に持つ18歳以上のきょうだい40名に質問紙調査を実施し,同胞に対して持つ関係性の認知と精神的健康との関連を検討した。同胞の特徴を制御変数とした,関係性認知とGHQ12および主観的幸福感との偏相関分析の結果から,きょうだいの精神的健康に同胞との関係性の認知が影響していることが示された。また,アスペルガー障害または高機能広汎性発達障害の青年2名(いずれも発達障害のない同胞あり)との心理面接経過を質的に分析し,同胞との関係が肯定的に働く場合(同胞のふるまいを見て自分の行動の参考にするなど)と否定的に働く場合(同胞のように生活できない自分への低い評価など)があることが観察された。 【研究3】同年代の仲間との相互交流を不全とするASDの中学生男女4名を対象に,SSTに基づくグループ介入を行った。第一期は,グループ活動になれるための時期として,これまでに経験したことのある「カードゲーム」などを中心にアイスブレイキングを目的に5セッションを行なった。第二期は,ベースライン・アセスメントとして,グループゲームを行なう上での基本的な相互的交流に関する行動レパートリーを確定すべく,5セッション行なった。第三期は,グループ・ボードゲーム導入,相互交流の媒介として「どんじゃらゲーム」と「すごろくトーク」を相互交流の頻度を高めるための介入を行なった。
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Research Products
(4 results)