2011 Fiscal Year Annual Research Report
リハビリテーション病院等における音楽療法の効果判定に関する実践的研究
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21530750
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
小原 依子 神戸女子大学, 文学部, 准教授 (40388319)
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Keywords | 音楽療法 / 評価表 / チェックリスト / 効果判定 / リハビリテーション病院 |
Research Abstract |
本研究の目的は、心身障害及び、認知症等を主とした高齢者領域で開発を行ってきた「音楽療法用評価表」MTCL-YK(S)」を用いて、リハビリテーション病院等の医療領域においても適用可能な評価表として改訂・開発を行うことである。 本研究におけるH23年度の研究実績計画は、 1、MTCL-YK(S)の妥当性検証1<調査2> 2、MTCL-YK(S)の信頼性検証2と修正案2(MTCL-YK(S)-2)の作成、 3、修正されたMTLC-YK(S)-2による音楽療法効果の測定<調査3・4>、であった。 1については、実践現場における対象者ケースについての他の医学的・心理学的指標の結果について情報を得ることができ、相関分析の処理にあたっている。そして、2については、研究を進める中で、「パーキンソン病」と「注意障害」について特に音楽療法実践の重要性・有効性が認められたこと、また、2つの疾患・障害は、評価の際も大きく異なる点があり、それらを捉えられる指標を作成する必要性が明らかとなったため、MTCL-YK(S)の評価表についても、2つを分けて作成することとした。そのため、まず「注意障害」のケースに焦点をあて、注意障害についての文献や他の医学的・心理学的指標内容について情報を集め、MTCL-YK(S)の「共通項則に反映させ、修正案を作成した。さらにMTCL-YK(S)の「音楽場面」「対人場面」については、音楽療法実践の録画映像を、研究協力者間で視聴し、行動観察を行って、項目内容、下位項目について、詳細な文言の修正作業を行い、より実践現場に有用な評価表を作成するに至った。3については、2で作成されたMTCL-YK(S)-2を用いて、実施を開始する予定となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
医療現場との共同研究による実践的研究であるため、研究協力者による音楽療法実践の業務形態や対象者ケース数の変動などにより、予定通りの実践・データ集約を行うことができない時期があった。そのため、当初の計画通りの時期より少しずれが生じたが、次年度内で4カ年計画についておおむね遂行できると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
リハビリテーション病院における音楽療法の効果判定に関する実践的研究を進める中で、「パーキンソン病」と「注意障害」について特に音楽療法実践の重要性・有効性が認められた。2つの疾患・障害は、評価の際も大きく異なる点があり、それらを捉えられる指標を作成する必要性が明らかとなったため、MTCL-YK(S)の評価表についても、2つを分けて作成することとした。そのため、まず「注意障害」のケースに焦点をあて、評価表MTCL-YK(S)の修正案を完成させ、それを用いて、音楽療法の有効性を分析したいと考えている。今後、同じ手法を用いて「パーキンソン病」についても修正案を作成していきたいと考える。
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Research Products
(1 results)