2011 Fiscal Year Annual Research Report
触法精神障害者の再犯関連要因の調査と介入プログラムの開発
Project/Area Number |
21530755
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Research Institution | 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター |
Principal Investigator |
菊池 安希子 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所・司法精神医学研究部, 室長 (60392445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 幸之 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所・司法精神医学研究部, 部長 (40282769)
安藤 久美子 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所・司法精神医学研究部, 室長 (40510384)
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Keywords | 司法精神医学 / 触法精神障害者 / 再犯要因 / 介入プログラム / 認知行動療法 |
Research Abstract |
本研究の目的は、触法精神障害者の社会復帰を促進するために、基本的な精神科治療に加え、生活上の問題解決につながる認知スキルの向上が重要であるとの視点から、触法精神障害者を対象とし、攻撃性や怒りの制御に関係する要因を明らかにするとともに、問題解決力を向上させることを目的とした認知スキルプログラムを実施した場合の介入効果を明らかにすることにある。 問題解決スキルに影響を及ぼす要因が、精神障害受刑者と一般受刑者においてどのように異なるのかを確認するために、協力施設の受刑者に対する自記式質問紙を実施し、その結果を解析した。 精神障害受刑者と一般受刑者を比較したところ、一般受刑者においては、問題解決力に関連している要因は、「衝動性」「怒りの制御」「精神健康度」「犯罪親和性」「共感性(視点取得)」と、既存の再犯防止基盤プログラムがターゲットにしてきた「問題解決法」「感情マネジメント」「社会的推論」に該当する内容であった。精神障害受刑者では、問題解決スキルに影響を与えているのは、「衝動性」と「怒りの制御」であり、共感性(視点取得)や犯罪親和性は関連が無いか弱いことが明らかになった。精神障害受刑者において、介入ターゲットとして強調されるべきは、まず、第一に「感情のマネジメント」であり、次いで「問題解決法」であることが示唆された。 医療観察法対象者に実施されている同種のプログラムを精神障害受刑者向けに改訂して実施したプログラムを3回試行した結果の解析結果では、介入後に衝動性に改善がみられたが、問題解決スキル、共感性、怒りの制御については変化がみられなかった。
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Research Products
(11 results)