2012 Fiscal Year Annual Research Report
再認における環境文脈依存効果の再検討:複合場所文脈とさまざまな環境情報との比較
Project/Area Number |
21530761
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
漁田 武雄 静岡大学, 情報学部, 教授 (30116529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
漁田 俊子 静岡県立大学短期大学部, その他部局等, 教授 (40161567)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 再認 / 文脈依存効果 / 複合場所文脈 / 環境情報 |
Research Abstract |
今年度の最大の成果は,これまで不明確であった「再認における場所文脈依存効果」を明確化する論文を,この領域で世界トップの雑誌「Memory & Cognition」に採択され(2012年7月),発刊された(同年12月)ことである。本研究課題の目的は,不明確な場所文脈依存再認を明確化することと,その他の環境的文脈効果との関係を明らかにすることであった。本年度は,本研究課題の最終年度であり,とても良い成果を得たといえよう。 その他の環境的文脈効果との関係解明のための研究は,コンピュータ画面の様々な感覚特性に関する文脈(背景写真文脈,ビデオ文脈)に関して実験を行い,ある程度の成果を出すことができた。これらコンピュータ画面の文脈は,1画面ごとが1つのエピソードを形成すると想定できる。このような文脈は局所的環境的文脈と呼ばれている。局所的環境的文脈の再認実験結果は,ICE理論を支持するものが多い。ICE理論は,符号化特殊性原理による学習エピソードの想起による説明とは大きく違い,項目,文脈,ensembleなどの熟知性が独立に再認判断に影響するとしている。 ICE理論によれば,背景写真や絵画は意味的内容を豊富に含むので,項目と文脈との間にensembleが形成されやすい。このため,再認弁別でも文脈依存効果が生じるという。ところが,ICE理論の実証研究では,文字を表示するのに適した絵画(e.g., 黒板など)のみを用いていた。そこで,適した背景写真と適していない背景写真(e.g., 風景など)を用いて実験したところ,適した写真でのみ再認弁別で文脈依存効果が生じた。また,ビデオ文脈では,文脈手がかり負荷1と18で再認を調べた。その結果,Hitではエピソード想起説を支持する結果を得たのに対して,FAではICE理論を支持すると思われる結果を得た。引き続き,次の研究課題で検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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