2009 Fiscal Year Annual Research Report
感情音声を用いた声質認知メカニズムの検討と声質情報処理モデルの構築
Project/Area Number |
21530768
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
重野 純 Aoyama Gakuin University, 教育人間科学部, 教授 (20162589)
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Keywords | 実験系心理学 / 感情音声 / 声質の認知 / 言語情報 |
Research Abstract |
声質の認知に関して感情音声を用いて個人性の同定と声質の記憶について調べた。実験目的はともにパラ言語情報である<声質>と<感情>という2つの情報が、声質の情報処理のどの段階でどのような関係にあるのかを明らかにすることである。 発話音声の声質の記憶について、再認成績をもとに検討した。用いる音声刺激は感情を伴わない音声と感情を伴う音声であった。音声刺激は日本語を母語とする日本人話者が日本語で発話したものを用い、表現する感情は「幸福」「怒り」「嫌悪」「恐れ」「悲しみ」の基本感情5種類であった。実験条件として、記銘時と再認時に用いる感情音声と感情を伴わない音声の組み合わせに3種類の刺激条件を設けた。条件1では感情を伴わない音声で記銘し再認時に感情音声にした場合(例、感情を伴わない音声で記銘して「嫌悪」の音声を話者再認)、条件2ではその逆の場合(例、「嫌悪」音声で記銘して「感情を伴わない」音声を話者再認)、条件3は、感情音声で記銘し再認時に(同じまたは別の)感情音声にした場合(例、「幸福」音声で記銘して「怒り」の音声を話者再認)であった。実験結果は感情音声が声質の認知に影響を及ぼすことを示唆するものであった。
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