2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530774
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
正木 宏明 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 准教授 (80277798)
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Keywords | 生理 / 情動 / 動機づけ / 行動 / 注意・意識 / スポーツ心理学 |
Research Abstract |
平成23年度では,これまでの実験データを論文に纏める作業に従事した.パフォーマンスモニタリング機能に注目した一連の実験の結果,エラー関連陰性電位(error-related negativity ; ERN)は反応の困難性を反映する一方で,N2成分から分離できることを,time-frequency analysisやsource analysis(電流発生源分析)に供することで明らかにした(Clinical Nurophysiology誌で報告).エラー予測性の観点では,パフォーマンスモニタリングは,エラーを誘発する事象より以前から強まっていることが理想となる.従来の研究の多くは,エラー反応時にパフォーマンスモニタリングが駆動することを強調しているが,正反応時に駆動しても良いことになる.この点を確認するために,一致タイミング課題を工夫し,最大力量発揮のタイミングコントロールに関するパフォーマンスモニタリングを検討した.その結果,タイミングコントロールが首尾良くできる条件では,運動電位(moter potential : MP)が大きくなることを見出し,MPが望ましい反応に関するパフォーマンスモニタリングの指標となり得ることを示した(Experimental Brain Research誌で報告).また,フェイント刺激を挿入した交互反応課題では,正反応に先行して運動関連陽性成分の増強が認められ,抑制過程の指標となることを示した(現在論文審査中).この運動関連陽性成分をERN,MPと共に記録することで,ビジランス作業(管制官のモニタ監視作業等)から,スキルを要する動作課題(熟練工の作業やスポーツ等)に至るまで,ヒューマンエラーを防止し,パフォーマンスの正確性を維持することに貢献し得ると考えられる.
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Research Products
(10 results)