2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530776
|
Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
水野 りか 中部大学, 人文学部, 教授 (00239253)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 孝雄 中部大学, 人文学部, 教授 (00267709)
|
Keywords | 時間的不測性 / ブロック内配置 / ブロック間配置 / プライミング効果 / 負のプライミング効果 / 注意の瞬き |
Research Abstract |
これまでの研究で2刺激の呈示間隔をブロック内配置すると間隔が短いほど時間的不測性が高いことが見いだされた。種々の反応測度へのこの偏りの影響を検証しそれを排除した実験を行うことは,誤った解釈や理論的混乱を阻止する上で重要である。そこで本年度は以下の領域でその偏りの影響を検証した。 1. プライミング効果 この原因説としては活性化拡散理論が有力視されていたが,Ratcliff & McKoon(1981)がプライムとターゲットの呈示間隔をブロック内配置した実験で活性化拡散理論と相反する実験結果を示して以降,理論的混乱が生じた。筆者らは,この矛盾はブロック内配置での時間的不測性に偏りに起因したと考え,これをブロック間配置で追試した。そして,活性化拡散理論の予想を検証するとともに時間的不測性のプライミング効果への影響を明らかにした。 2. 負のプライミング効果 最も有力な原因説は抑制説だったが,実験結果が一貫せず結論が出ていなかった。筆者らは,抑制説ではプローブの呈示時間の予測性が高い時つまり時間的不測性が低い時ほど負のプライミング効果が生じると仮定されていることに着目した。そして単純反応時間によって時間的不測性を直接測定し,負のプライミング効果と時間的不測性に負の相関関係を見いだし,抑制説を検証するとともに時間的不測性の負のプライミング効果への影響を明らかにした。 3. 注意の瞬き 昨年の研究で注意の瞬きには時間的不測性に加え標的と妨害刺激の識別性が大きく影響し,その識別性の規定因が母語者により異なることが示唆された。そこで筆者らは日本語母語者と英語母語者を対象に標的と妨害刺激の形態的親近性と音韻的親近性を操作した第1実験を行った。そして,日本語母語者の識別性の規定因は形態的親近性の差だが,英語母語者のそれは音韻的親近性の差であることを確認し,現在その確証を得るための第2実験を行っている。
|
Research Products
(6 results)