2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530776
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
水野 りか 中部大学, 人文学部, 教授 (00239253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 孝雄 中部大学, 人文学部, 教授 (00267709)
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Keywords | 時間的不測性 / ブロック内配置 / ブロック間配置 / 注意の瞬き / 識別性 / 負のプライミング効果 / 最適実験配置 |
Research Abstract |
これまでの研究で2刺激の呈示間隔をブロック内配置すると時間的不測性に偏りが生じ,この偏りが誤った解釈や理論的混乱を招いてきたこと,第1刺激に反応を求めない実験事態ではブロック間配置でその偏りが消失し正確な測定が可能であることが明らかとなった。本年度は以下の2つの観点の研究を行い,研究の集大成とした。 1.注意の瞬き これまでの研究で,ブロック間配置で実験を行うと注意の瞬きが著しく減少したことから時間的不測性の偏りの影響が確認されたが,それに加えて標的と妨害刺激の識別性が影響した可能性が示唆された。本年度は英語母語者,日本語母語者,中国語母語者を対象に,1)3種の文字刺激の音韻・形態的識別性を調べた上で標的に用いる文字刺激をローテーションした実験,2)構音抑制を課した注意の瞬き実験で,注意の瞬きには時間的不測性に加え,英語母語者の場合は音韻的識別性が,日本語母語者と中国語母語者の場合は形態的識別性が影響することを検証した。また,その日本語母語者の文字処理過程の特異性をワークショップで講演した。 2.負のプライミング効果 これまで研究で,第1課題でも反応を求める負のプライミング効果のような実験事態ではブロック間配置でも時間的不測性の歪みが解消されないこと,このような実験事態では第1課題と第2課題のRSI(response-stimulus-interval)だけでなく前の第2課題と第1課題のPRSI(previous RSI)とRSIの相対的大きさを考慮すべきことが示唆された。本年度はPRSIを全RSIの中央値に設定してRSIをブロック間配置した実験を行い,この配置で時間的不測性の偏りが消失することを確認し,1)この配置での負のプライミング効果の経時的変化からその原因を特定するとともに,2)第1課題に反応を求めない場合の最適実験配置をも明らかにすることができた。
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Research Products
(8 results)