2010 Fiscal Year Annual Research Report
日本語摩擦音・破擦音における母語話者別の知覚・生成範疇境界の研究
Project/Area Number |
21530782
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Research Institution | Aichi Shukutoku University |
Principal Investigator |
天野 成昭 愛知淑徳大学, 人間情報学部, 教授 (90396119)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山川 仁子 愛知淑徳大学, 人間情報学部, 助教 (80455196)
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Keywords | 音声知覚 / 音声生成 / 音韻範疇 / 言語間比較 / 摩擦子音 / 破擦子音 / 母語 |
Research Abstract |
日本語母語話者と韓国語母語話者において,無声破擦音[ts](ツの子音部分)と無声摩擦音[s](スの子音部分)とを区別する音響的特徴を知覚と生成の両面において解明すること目的とし,以下の3点において研究を進めた。 1. 日本語母語話者の音声知覚と音声生成: 日本語母語話者による音声知覚と音声生成の実験結果を付き合わせて解析し,破擦音・摩擦音の「立ち上がり部の時間」と「定常部+立ち下がり部の時間」の2変数で表される[ts]と[s]の範疇境界が,知覚と生成でほぼ同じであることを明らかにした。この研究結果を日本音響学会およびPanAmerican/Iberian Meeting on Acousticsで発表した。 2. 韓国語母語話者の音声知覚: 韓国語母語話者による[ts]と[s]の知覚実験を実施し,韓国語母語話者の[ts]と[s]の知覚には「立ち上がり部の時間」と「定常部+立ち下がり部の時間」の2変数が有効であることを明らかにした。 3. 日本語母語話者と韓国語母語話者の音声知覚: 日本語母語話者における[ts]と[s]の知覚範疇境界と韓国語母語話者における[ts]と[s]の知覚範疇境界とを比較・解析した結果,両者がほぼ同じ直線で表され,かつ韓国語母語話者の知覚範疇境界のほうが日本語母語話者の知覚範疇境界よりも原点側に位置すること,すなわち韓国語母語話者では[s]の領域が広く,[ts]の領域が狭いことが明らかになった。この研究結果を日本音響学会およびPanAmerican/Iberian Meeting on Acousticsで発表した。
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Research Products
(7 results)