2009 Fiscal Year Annual Research Report
日韓中における学校カリキュラム開発モデルの再構成に関する研究
Project/Area Number |
21530787
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
田中 統治 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (40128046)
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Keywords | カリキュラム / カリキュラム開発 |
Research Abstract |
1.平成21年7月に日韓中の三国の代表的な研究者各2名による国際シンポジウムを企画し実施した。研究代表者がコーディネーターを務めて発表用資料等の翻訳と整理、及び記録等を行った。資料の整理のための謝金を多額に要したが、研究の実績・成果として、第1年次に計画した目的に即して、特に下記の結果が注目される。 2.日韓中の三国において国際学力調査等によるカリキュラム開発モデルへの影響がどう現れているか、各国の実態について資料分析によって検討した。その結果、21世紀型の学力観としてPISAの調査問題等に影響されている傾向が見出せた。これはカリキュラム開発モデルのグローバル化の一端を示しており、国際学力調査がその影響源として重要である。 3.70年代にOECD-CERIが提唱したカリキュラム開発モデルである「学校に基礎をおくカリキュラム開発」(School-based Curriculum Development)への評価をめぐって、日韓中の文教政策では教育課程の国家基準を達成する観点から、このモデルの有効性を実証的・現実的に見極めようと試みていることが明らかとなった。このため、日韓中の地方教育委員会等が各学校でカリキュラム開発を進める上で必要な資源調達や教員現職研修をどう展開しているのか、その実際にまで踏み込んで調査することが求められる。 4.日韓中のカリキュラム研究者グループは、当該国の学校カリキュラム開発モデルを再構成するためそれぞれ独自の提案を行っており、その理論的立場は米国モデルの受容度によって多様である。したがって、次年度以降、各国の政策動向や学会活動のみならず、大学や研究機関単位の活動までも細かく視野に入れて調査研究を行う必要がある。そこで、今年度の研究者招聘による国際シンポジウムの結果をもとに、三国のキーパーソンと目される研究者から資料収集を行う予定である。
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Research Products
(4 results)