2011 Fiscal Year Annual Research Report
幼小連携カリキュラムの開発と実践に関する日米間の比較教育史的研究
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21530790
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
橋本 美保 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (60222212)
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Keywords | 幼小連携 / カリキュラム / 進歩主義教育 / 幼稚園運動 / 生活単元 / 及川平治 / プロジェクト・メソッド / 明石女子師範学校 |
Research Abstract |
本研究においては、近代日本における幼小連携カリキュラムの到達点とその限界を明らかにすることを目的とする。最終年度である今年度は、以下の事項について海外・国内において補充調査を実施した。 1.アメリカにおける二大教育大学以外の幼小連携カリキュラムに関する調査(各校のカリキュラム開発過程に関する史料を収集する) (1)ニューヨーク都市田園学校(The City and Country School) (2)ニューヨーク州立大学の練習学校 (3)ワシントン市のトムソン・スクール (4)イリノイ州立大学の練習学校 (5)サンフランシスコ州立大学の練習学校 2.師範学校附属小学校と幼稚園におけるカリキュラム開発の態勢と試行に関する調査 東京女子高等師範学校、奈良女子高等師範学校、明石女子師範学校に特徴的であった(1)合科学習、(2)プロジェクト・メソッド、(3)生活単元、の教授法や教授形態についての開発過程を明らかにするための史料調査を行った。資料収集および分析の結果、3つの女子師範学校で特徴的にみられた上記の教育方法や学習形態の開発に利用された海外教育情報、背景にある教育理念を含めて研究の体制やカリキュラム開発の過程を明らかにした。 なお、他の旧女子師範学校においても幼小連携の取り組みが行われていないかを調査した。 前年度までの史料調査の成果を踏まえ、「アメリカにおける幼小連携カリキュラム思想の生起とその開発過程」と「近代日本における幼小連携カリキュラム情報の受容とその試行過程」とを比較して、国際的な新教育運動の中における日本の幼小連携に関する取り組みの特質を考察した。 調査結果を総合して、現在の初等教育の実践に内在する歴史的問題点をカリキュラムの視点から指摘し、その内容を幼児教育史学会のシンポジウムにおいて発表した。
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