2009 Fiscal Year Annual Research Report
演劇的手法を活かした、教師のための信頼関係構築・修復スキル向上プログラムの開発
Project/Area Number |
21530791
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
山田 雅彦 Tokyo Gakugei University, 教育学部, 准教授 (30254444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 修 京都橘大学, 文学部, 准教授 (50434668)
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Keywords | 学級崩壊 / 統率力 / コミュニケーションスキル / 演劇的ワークショップ / 教員研修 / 質問紙調査 |
Research Abstract |
本研究は、児童生徒の教師に対する不服従や、保護者からの苦情対応といった、教師の教育活動をめぐる人間関係上のトラブルが多発している状況の克服を志向して、良好な人間関係を構築したり、悪化した人間関係を修復したりするコミュニケーションスキルの向上に寄与する、演劇ワークショップ形式による教師教育プログラムの開発を目指すものである。平成21年度は、そのような人間関係の構築・修復スキルの要素となる教師の行動特性について小規模な予備調査を実施した。調査は、研究代表者・分担者がこれまでの研究を通じてその重要性に注目してきた「フォーカスが割れる(同じ場面に注目の対象が複数生じること。授業中のよそ見や「内職」などの課題非従事行動がその典型例)」事態への対処法について質問紙調査によって実施した。その結果、経験年数や教師の自己有用感とフォーカスへの対処法との間に相関関係が示唆された。経験年数や自己有用感の高い教師ほど、フォーカスが割れる場面(課題非従事行動)に柔軟に対処する傾向が認められた。このことは、研究代表者・分担者がすでに仮説的に指摘していたことであるが、それを検証する実証的根拠の一つとなる。また、聞き取り調査により、熟練した教師が課題非従事行動に対処するスキルの実例を収集した。これらの結果をふまえて、平成22年度にはより大規模な調査を実施し、教師教育プログラムによって向上を目指すべき教師の行動特性を特定する予定である。また、予備調査結果の詳細な分析を平成22年度に実施し、その成果を口頭発表並びに論文として公表予定である。
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