全国型予備校の形成過程からみた日本の教育--河合塾と高等学校の関係に注目して--

2010 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 21530796
• Research Institution: Aichi University of Education
• Principal Investigator: 三上 敦史 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (30362304)
• Keywords: 全国型予備校 / 高等学校 / 大学入試 / 進路指導 / 大学情報 / 偏差値

Research Abstract

研究実施計画に基づき、昨年度に引き続いて以下の作業を実施した。
(1)河合塾の本部、各地域本部、河合塾記念館および提携予備校の一部において、一次資料群の調査を行った。
(2)河合塾の本部および河合文化教育研究所において、部内外へ発信した諸情報についての資料調査を行った。
(3)河合塾関係者(歴代の幹部職員3名および講師2名、提携予備校の幹部職員1名)を対象に、聞き取り調査を実施した。
(4)国立国会図書館・各都道府県立図書館などの公共図書館、大学図書館、各新聞社のインターネット記事検索、雑誌記事索引などを使い、新聞・雑誌が予備校に関して報道した記事を収集した。また、全国型予備校が形成される以前の時期において、高等学校に受験情報を提供していた模擬試験サークルの機関誌など、関連資料も入手した。
これら一連の作業の結果、河合塾と高等学校との関係史について、おおむね創立から1970年頃までを詳細に把握することができた。次年度以降、続く時代について同様の作業を行うことで、その全体像を把握することができ、これによって研究の継続期間内にまとまった結果を出すことが可能になったと考えている。
また、河合塾の保存する一次資料のうち教育史的に意義があると思われる文書類、関係者からの聞き取り調査の文字起こし、新聞・雑誌が全国型予備校について報道した記事などをあつめた資料集を電子媒体で作成した。ただし、機密扱の情報を含むため、現段階では公開できない。河合塾には提供済であり、今後、機密扱の解除について交渉し、然るべき時期にweb上で公開する方途を探りたい。