2011 Fiscal Year Annual Research Report
ドイツ人芸術大学長達の内的外的亡命と戦後芸術大学改革への思想的・芸術教育学的展開
Project/Area Number |
21530798
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
鈴木 幹雄 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (70163003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 哲哉 和歌山大学, 教育学部, 教授 (50031810)
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Keywords | 戦後芸術大学改革 / ベルリン造形芸術大学 / カッセル芸術大学 / シュトゥットガルト芸術アカデミー / W・バウマイスター / K・オットー / K・ホーファー / J・エルンスト |
Research Abstract |
本助成研究では、平成22年度鈴木幹雄によりなされたシュトゥトガルトにおける現地調査・文献調査を踏まえ、平成23年度、「W・バウマイスターにみるモダン・アーティストの情熱と戦後アカデミー改革-フランス・モダンアートの洗礼を受けた一芸術家は内的亡命に耐える中で何を構想したか-」の研究発表がなされた。同発表では、バウマイスターによる戦後アカデミー改革構想がフランス留学以降の研究活動・探求活動と母国での造形表現研究を基礎に統合的に形作られたものである事が明らかにされた。また長谷川哲哉により、ベルリン造形芸術大学戦後第2代学長K・ホーファー研究の一環として「バウハウスにおける創造性教育の成功の諸要因とその関係」が公にされ、戦後ベルリン造形芸術大学改革の中心軸をなす「創造性教育」の成功の秘密とその根拠の一端が実体として解明された。 他方また、研究協力者石川潤により、カッセル芸術大学元学長J・エルンストについての平成21年度現地調査・文献調査を踏まえて、平成23年度、論文「ユップ・エルンストの戦後-改革コンセプト「良いフォルム」とドクメンタIIIの周辺」(報告書収録予定)がまとめられ、同学長によるカッセル芸術大学改革コンセプトがドクメンタIIIを手掛かりに解明された。更に研究協力者安部順子より、同年度、論文「K・ホーファーにみる芸術アカデミー批判とアカデミー改革の思想-1945年から1955年の遺稿を手掛かりとして-」(論文)が公表され、戦後ベルリン造形芸術大学初代学長ホーファーによる、改革構想とアカデミズム克服のプロセスが明らかにされた。 近日、課題テーマに即して、本研究の研究業績がまとめられる予定である。
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