フランス第三共和政期の教員養成改革に関する基礎的研究

2010 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 21530800
• Research Institution: Okayama University
• Principal Investigator: 尾上 雅信 岡山大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (40177275)
• Keywords: 第三共和政 / 教員養成 / ビュイッソン

Research Abstract

研究計画では、初年度に引き続いて、第二年度も文献(先行研究および歴史資料)の収集と分析にあてることとなっている。具体的には、フランス第三共和政教員養成史とビュイッソン研究にかかわる文献・資料(史料)の収集と分析である。第二年度である平成22年度は、上記計画にもとづき、おもに文献(課題の全般にかかわる先行研究ならびに専門書)の収集と分析にあてられた。教員養成の歴史と課題にかかわる内外の文献を広く収集すること、ならびにフランス教員養成史にかかわる先行研究を収集することである。国内の資料としては、フランスにおける第三共和政期にあたる欧州に広く知見を求めた当時の日本の教育学者にかかわる文献(復刻版)を収集し、また、フランス教員養成史では、本年度はおもに教員の歴史に焦点を合わせ、その通史的研究のみならず、第三共和政当時に教職に従事した個別具体的な教員の自叙伝・記録にかかわる文献(資料集)を収集した。前者からは、教員養成の歴史的課題に関する比較史的知見を得ること、また後者からは、とくに第三共和政教育改革当時における教員採用(任用)の具体的な実態ならびに教員任用後の(自己)研修(修養)の個別事例的な実態を知る手がかりを得ることが期待される。本年度はこれらの収集にあたるとともに、それぞれの文献の部分的な仮読み・分析にとりかかり始めたところである。そのため、本年度は論文その他の具体的なかたちでの研究成果をあげるところにまで到達できなかった。