2011 Fiscal Year Annual Research Report
フランス第三共和政期の教員養成改革に関する基礎的研究
Project/Area Number |
21530800
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
尾上 雅信 岡山大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (40177275)
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Keywords | 第三共和政 / 教員養成 / ビュイッソン |
Research Abstract |
研究計画では、最終年度である23年度は、前年度までの成果にもとづき、おもにビュイッソン関係及び国会図書館関係史料の熟読と分析を通して、ビュイッソンの言説の特質の分析、さらに教員養成改革年表の充実にあてられることとなっている。具体的には、(1)当時の教師及び一般大衆を対象にした教育雑誌に掲載された論文・講演記録にみられるビュイッソンの言説の特徴と、法案審議過程における初等教育局長としてのビュイッソンの言説の特徴を分類して明確にし、両者の同一性と差異を明らかにすることである。これと並行して、(2)おもにフランス共和国官報掲載の国会議事録の分析を通して、教員養成改革にかかわる法案の成立過程を詳細な年表とともにまとめることである。これらの作業の成果にもとづき、(3)研究成果のとりまとめを行ない、研究成果の一部を公表できるよう準備を進め、当面は所属する大学の紀要に公表すること、である。これらの作業課題について、本年度は、初年度・前年度に引き続き史料・文献の収集につとめるとともに、おもに国会議事録の分析につとめた。その結果、教員養成関係資料・文献、関連して教育学(古典)文献ならびにビュイッソン関係史料はかなり収集できたものの、その熟読・分析にまではいたらなかった。一方、すでに収集できた国会議事録については、その分析により、教員養成改革関係法案の審議過程において如何なる教員の資質・能力が求められ望まれたか、法案提出者やその支持者すなわち改革立案・推進主体の言説を中心に、要点と特徴をとりまとめる作業を行なうことができた。しかしながら、これらの分析結果を論文または資料集として公表するまでには到達できなかった。これについては、研究期間終了後も、引き続き継続した分析・とりまとめを行なうこととしたい。
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