2011 Fiscal Year Annual Research Report
日本型授業研究モデルの海外移転と教員文化に関する実証的研究
Project/Area Number |
21530811
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Research Institution | Seijoh University |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 隆城 星城大学, 経営学部, 准教授 (90351204)
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Keywords | 実証的研究 / 教育方法 / 授業研究 / 授業分析 / 教員文化 / 授業メンタルモデル / 海外移転 / 国際比較授業分析 |
Research Abstract |
研究目的:本研究の目的は、異なる学校・教員文化を持つ海外の教育実践において、日本の授業研究モデルが移転され、実験授業が実施される中で、教員の授業メンタルモデルの克服過程とそのメカニズムを解明することである。そのために、授業研究が教員文化や学校文化に与える影響を明らかにし、教員の授業研究への参加と決定はどのような能力を形成するかを解明する。また、授業研究の進展に対する教育問題の共有の有効性を検証し、同僚など他者の存在が、教員の経験の共有を通して、教員の質的変化(学校観、子ども観、授業観、教員観、教材観、研究観)に及ぼす影響を解明する。このような研究課題の検証から、日本と海外の教員文化(特に協働性の教員への影響の検証と参加と決定と資質の関係)を比較し、海外の教員の授業メンタルモデルの形成のメカニズムを明らかにする。 研究成果:(1)海外と日本の同じ単元の授業記録(逐語記録)を収集し、先行研究の様々な分析視点や授業カテゴリーを参考にして、国際比較授業分析のかなめとなる複数の分析視点を設定した。(2)研究者一人による授業を分析するという従来の方式をとらず、国際比較授業検討会という協働的な授業研究の場を設けた。まず、日本の教師と教育学研究者が同じ場に集合し、海外の授業記録を読み、授業VTRを見た上で、日本の授業と比較しながら、感想・意見・批評を率直に述べ合い、討論した。そして、日本での検討会のデータを整理し、それに対して海外の教員や研究者と検討し、彼らが感じたこと・考えたことを様々な視点から分析した。(3)協働性の教員文化への影響の検証と参加と決定と資質の関係の調査の比較を基に、日本の授業研究モデルを受容したイランやシンガポールにおける教員の授業メンタルモデルの克服過程とそのメカニズムの特徴を明らかにした。(4)研究成果を国際学会(WALS 2011)と国内学会などで発表し、国際と国内雑誌でも学術論文を発行した。
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