2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530813
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Research Institution | Hiroshima Shudo University |
Principal Investigator |
相馬 伸一 広島修道大学, 人文学部, 教授 (90268657)
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Keywords | コメニウス / 公共性 / 近代教育 / 研究動向 / 教育思想 / 開けた魂 / ヤン・パトチカ / パトチカ文書 |
Research Abstract |
平成23年度の研究活動としては、研究文献及び資料の閲覧・収集、研究成果の発表及び公表を行った。 前者については、8月にノルウェー、スウェーデン、エストニア、フィンランド及びロシアを訪問し、コメニウス関係の研究文献の資料収集及び閲覧を行った。具体的には、ノルウェー国立図書館ではコメニウスのもっとも権威ある伝記を著したミラダ・ブレカシュタットの論文を入手、スウェーデンのノーショーピン市立図書館では、コメニウスを庇護したデ・ヘール家由来のフィンスポング・コレクションについて調査、エストニア国立図書館では、コメニウス生誕400年を記念して行われたコメニウスとバルト諸国の関係をあつかったシンポジウムの資料の入手、ロシアのサンクト・ペテルブルク東洋学研究所では、江戸中期にロシアに漂流の末、日本語教師となったロシアの漁民ゴンザがコメニウスの『世界図絵』をロシア語から日本語(薩摩弁)に翻訳したオリジナル原稿を閲覧することができた。 後者については、この3年間の考察を踏まえ、教育思想史学会紀要『近代教育フォーラム』第20号に「コメニウス教育思想の再読可能性」と題して論考を発表した(9月)。また、10月には、コメニウスの生地と考えられているチェコ共和国東部のウヘルスキー・ブロトで開催された第28回国際コメニウス研究コロキウムにおいて「相互啓発と総審議-コメニウスとその協働者における公共性」と題して研究発表を行った。この内容はStudia Comeniana et historica誌に投稿中である。さらに、研究成果を一般に還元するため、教員養成のテキストブック『教育の思想と歴史』(協同出版、平成24年)に、今回の研究成果に基づいて、第1部第2章「ルネサンス・近世の教育思想」を分担執筆した。
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