2010 Fiscal Year Annual Research Report
1950年代の日本における学校評価制度の導入とその展開に関する基礎的研究
Project/Area Number |
21530818
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
橋本 昭彦 国立教育政策研究所, 教育政策・評価研究部, 総括研究官 (80189480)
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Keywords | 学校評価 / 1950年代 / アメリカ |
Research Abstract |
本年度は、下記のような項目に従って作業を進め、それぞれの成果を得た。 a.在アメリカ対日占領期の教育関係者の史料調査 →米国国立公文書館では米国内の史料所在情報について、ヒアリング調査と文書調査を行った。ワシントン大学では、30~40年代の教育雑誌の記事を調査し、当時のアメリカにおける学校評価の推進状況を知ることができた。また、米国の教育学会関係文書を調査し、学会としての学校評価への取り組みや外国との知見の交流について調べたが、重要な知見は得られなかった。 b.占領期の教育政策関係者の在京史料調査 →国立教育政策研究所、国立国会図書館、東京学芸大学・京都大学などの大学図書館、山梨県・神奈川県・埼玉県・茨城県・東京都の県立図書館・教育センター等の調査を行い、当時のアメリカ占領政策関係者による活動・著作、それを受け入れた日本側による実践を、学校文書・自治体文書のレベルで確認することができた。ただ、確認できた事例をどのように全国的に位置づけるか、補充調査が必要である。 c.1950年代当時の地方学校評価記事の追加収集 →前年度に続いて、地方の[教育通史][市町村史][地方新聞]の通覧を継続した。ここでも、1950年前後の日本での学校評価実践を、学校・自治体レベルで確認することができた。ただ、ここでもまた、それぞれの事例をどのように全国的に位置づけるか、補充調査が必要である。 d.最新の先行研究(邦文・英文)の追加調査 →初年度に一段落したこともあって、追加調査はあまり進まなかった。最終年度には、再確認の意味で、最新の研究成果をも博査しておきたい。 以上の作業を通じて、1950年前後にアメリカから日本にもたらされた学校評価情報の内実をかなり明らかにすることができた。ただ、個々の事実をどのように全体の歴史の流れに位置づけるか、さらに広範囲の目配りが必要である、という最終年度への課題も明らかになった。
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