2011 Fiscal Year Annual Research Report
留学生の日本での就職を阻害する要因に関する研究ーキャリアデザインの視点からー
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21530825
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
末廣 啓子 宇都宮大学, キャリア教育・就職支援センター, 教授 (80466680)
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Keywords | 留学生 / キャリアデザイン / キャリア教育 / 外国人雇用 / 地方 |
Research Abstract |
栃木県内の留学生及び企業に対するアンケート調査とヒヤリング調査を全て終了し、結果の集約と分析を行った。結果は以下の通りであった。 1)栃木県で学ぶ留学生像は、多様であるものの、全体の傾向として「グローバル企業において国境を越えての活躍を目指すモチベーションの高い人材」という「典型的」なグローバル人材とは異なる意識を持ち、また、従来留学生として想定されていた像とも異なるものであった。すなわち同年代の日本人学生と共通な特徴を持ち、若くして母国を離れ異国での経験を積み重ねていく途上で母国と日本のどちらが精神的に近い距離にあるのかは決め難く、ライフプラン、キャリアプランはおろかアイデンティティの確立すら定まり難く、変化しやすいという状況があり、日本での就職に向けて数々の課題が見られ、そのための対応策が重要であること、2)栃木県の地場企業についてはグローバル化がまだ進んでおらず外国人留学生採用状況は低調であること、特にヒヤリング調査からはグローバル化の進展度と求める留学生像について興味深い結果が得られた。グローバル企業とそこでのグローバル人材としての留学生の雇用という対応以外に、地方圏に於いては県内の留学生像を踏まえ海外展開のない企業における留学生雇用の可能性ということも示唆される。外国人留学生の採用経験がない地場企業は、外国人留学生を採用・雇用することについて職場適応への不安や、不信、ネガティブなイメージがあり、また、採用企業においても留学生の活用方針や雇用管理上の課題があること、がわかった。 以上を踏まえ、今後の地方圏における留学生の日本での就職の促進と地場企業のグローバル化等による活性化の観点から、大学、企業、経営者団体・行政、そしてそれらの連携に向けて具体的な提言をまとめた。
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Research Products
(1 results)