2010 Fiscal Year Annual Research Report
三位一体改革後の高校職業教育行財政の設置者負担主義と国庫補助の関係に関する研究
Project/Area Number |
21530839
|
Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
佐藤 史人 和歌山大学, 教育学部, 教授 (80324375)
|
Keywords | 職業教育 / 教育行財政 / 地方分権 / 三位一体の改革 / 教育条件整備 |
Research Abstract |
本年度の研究は、昨年度に引き続き高校職業教育の教育費の都道府県別の実態を調査すること重点として行った。あわせてその結果の分析を行い、都道府県毎の特徴及び相互比較によるカテゴライズを目指して研究を進めた。具体的には岐阜県や東京都の調査を中心的に実施し、現在データを整理している。また、前年度に調査した和歌山県や京都市等については、調査結果に基づいてその特徴を分析・検討した。その結果は日本産業教育学会の高校職業教育部会で報告し、高校職業教育に携わる教師や行政の関係者と協議を行った。ここで得られた知見は、今後の調査・分析に活かし、さらに踏み込んだ検証を行うための基礎となっている。以上のように「三位一体の改革」による地方分権化時代における教育行財政制度のあり方について解明を進めてきた。 これまでの研究によって、高校職業教育の財政状況は、地方自治体の裁量によって独自性を発揮できる素地が出来つつある段階にあり、国庫補助の時期に比べて一律ではなくなっていることが結果として明らかになっている。しかしその一方で、いずれの自治体も財政難であることから、高校職業教育への大幅な予算増が事実上出来ないでいることも、判明している。次年度はさらに調査数を増やすことと調査済みの自治体の特徴を分析することで、三位一体の改革の意味を検証する。 さらに今年度は、日本産業教育学会及び日本商業教育学会において、高校教育段階におけるキャリア教育と職業教育について、シンポジウム・講演を依頼された。ここではキャリア教育においても行財政制度の確立が不可欠であり、いわゆる専門(職業)高校のみならず、高校教育全体における行財政制度の在り方について提言し、関係者と協議をすることが出来た。
|
Research Products
(5 results)
-
-
-
-
-
[Presentation]2010
Author(s)
佐藤史人
Organizer
日本産業教育学会第51回大会シンポジウム
Place of Presentation
東海学園大学
Year and Date
2010-10-17