2010 Fiscal Year Annual Research Report
アメリカ・NCLB法下における学力テストの実施とそのインパクトに関する総合的研究
Project/Area Number |
21530848
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
赤星 晋作 広島市立大学, 国際学部, 教授 (80175778)
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Keywords | NCLB法 / 学力テスト / 学校と大学の連携 / 学力向上 |
Research Abstract |
学力テストがどのように実施されているのか、学力テストの内容及びその実施のシステム、成果と課題等を踏まえて、今年度は特に、学力向上を意図した学校の組織と運営、教育内容・方法、学校と地域の連携、教育のための非営利団体(NPO)の関わり等の側面から具体的対策、手立てを探り、その成果と課題を探った。 そのために、2001年9月フィラデルフィア学区(School District of Philadelphia)により設立された最新の設備を備えた公立学校「ペン・アレキサンダー・スクール」(Penn Alexander School=PAS)の事例分析をした。本校は、ペンシルベニア大学とのパートナーシップ校であり、学力向上等において大きな成果をあげている。 例えばPAS校では、「落ちこぼしのない教育法」(No Child Left Behind Act=NCLB法)に基づいてペンシルベニア州の生徒を対象にして実施されるペンシルベニア学校評価システム(Pennsylvania System of School Assessment=PSSA)における「読解」(reading)と「数学」(mathematics)のテストをみると、第8学年の数学における2005年から2008年の「上級レベル」「習熟レベル」「基礎レベル」「基礎未満レベル」それぞれの変化は、35%→57.6%、37.5%→21.2%、12.5%→9.1%、15%→12.1%となっている。「読解」においてもそれぞれの変化は、30%→63.6%、37.5%→21.2%、17.5%→6.1%、15%→9.1%となっている。そして、すべての学年にこのような傾向は見られ、着実な学力向上がみてとれるのである。 そこで、PAS校はどのような背景で設立されたのか、そこでの組織運営、教育内容・方法はどうなっているのか、また本校はペン大とのパートナーシップ校であるがペン大は本校とどのような関わりをしているのかを探った。
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