2009 Fiscal Year Annual Research Report
戦後日本の教員処分をめぐる総合的研究(2) -教育公務員の分限処分を中心にして
Project/Area Number |
21530860
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Research Institution | Shikoku Gakuin University |
Principal Investigator |
元井 一郎 Shikoku Gakuin University, 文学部, 教授 (90239575)
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Keywords | 教員処分 / 教育公務員 / 公務員制度 / 教育委員会制度 / 特別権力関係論 / 地方教育行政制度 / 分限処分 / 教育政策 |
Research Abstract |
本研究所年度は、既に蓄積してきた日本占領期の教育改革と教員処分の実態の整理を行いつつ、戦後公務員制度改革に関わって、戦前との連関を調査検証した。同時に、比較研究としてドイツ公務員制度および教員身分に関して、ドイツ教育研究者である田口康明氏(鹿児島県立短期大学教授)から詳細な知見をお聞きする機会をもった。 また、本研究が主要な対象時期として設定している1950~60年代にかけての教育制度及び教育運動の実態理解のために1950年代後半における勤評闘争等の史実に造詣のある大森直樹氏(東京学芸大学准教授)から史資料の解説や研究動向に関する教示をいただくことができた。以上の専門研究者からの教示や意見を参考にしながら、特に教育委員会法から地教行法(地方教育行政のための組織運営に関する法律)制定の制度変化に伴う教員処分実態あるいは地教行法制定以降の教員処分に関する基礎的史資料の収集を行った。そうした史資料の整理の過程において、研究対象時期に教員として勤務されていた方へのインタビューを行うことができた。インタビューの当該者は、告知県在住の方であるが、今後、継続してインタビューを行うこと、当時の教員の方々の紹介をしていただき、併せてインタビューを行うことになっている。 初年度の研究としては、史実の整理が中心になったが、次年度(平成22年度)には、インタビューを収録したものを刊行する計画である。併せて、教育制度の変更、とりわけ教育委員会制度の変更と教育行政システムにおける教員処分のあり様ついての検証仮説を確認することができた。次年度における史資料の収集および検討課題に関する十分な研究蓄積を行うことができたと考えている。
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