2010 Fiscal Year Annual Research Report
保育現場に即したICT利用による保育者のQWL支援プログラムの開発と展開
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21530862
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Research Institution | Tokyo Seitoku College |
Principal Investigator |
金城 悟 東京成徳短期大学, 幼児教育科, 教授 (70225118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 英雄 筑波大学, 人間総合科学研究科, 教授 (80133023)
安見 克夫 東京成徳短期大学, 幼児教育科, 教授 (30389861)
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Keywords | 保育者 / ICT利用 / QWL支援プログラム / 社会系心理学 / 社会福祉関係 |
Research Abstract |
本年度は、「保育職の大変さとやりがい」に関する意識構造を把握するため、幼稚園・保育所(園)に勤務する保育者14名を対象に半構造化面接を実施し、M-GTAの手法を用いて分析・検討を行った。その結果、つぎの点が結論として得られた。(1)「保育職の大変さ」は、子どもとの関係性・保育内容、職場環境・労働環境、保護者とのコミュニケーションの3要因から構成されており、「保育職のやりがい」は、子どもの成長・保育内容、ソーシャルサポートの確からしさの2要因で構成されている。(2)「保育職の大変さ」は、保育内容の実施に関する負担や職場の人間関係、保護者とのコミュニケーション、会議や各種書類作成などの事務作業の負担、人事や労働条件などの自分ではどうすることもできない状況下にある場合に意識化される。(3)「保育職の大変さ」は、ストレスや身体的疲労感、精神的疲労感、労働負担感という「ネガティブな発想・感情」として意識化される。(4)「保育者のやりがい」は、保育内容の実施が期待通りの成果をあげ、その結果として子どもの成長を感じとることができること、職場の人間関係や保護者からソーシャルサポートを受けることができる状況下にある場合に意識化される。(5)「保育職のやりがい」は、保育者としての誇りにつながる。「保育者のやりがい」と保育者としての誇りは「ポジティブな発想・感情」と相互に関係している。(6)保育者効力感は「保育職のやりがい」に影響を及ぼす。(7)保育者の「ポジティブな発想・感情」は、「保育職の大変さ」の意識構造と相互に影響を及ぼす関係にあり、「保育職の大変さ」に起因する負担感を軽減する働きを行う。(8)保育者の精神的健康は、「保育職の大変さ」「保育職のやりがい」など保育内容や労働環境、ソーシャルサポートに起因する意識構造と「ポジティブな発想・感情」という意識構造のバランスによって決定される。
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Research Products
(1 results)