2010 Fiscal Year Annual Research Report
イギリスの学校選択制度下での市場原理と協働原理の構造変容と効果に関する実証的研究
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21530868
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Research Institution | The National Center for University Entrance Examinations |
Principal Investigator |
山村 滋 独立行政法人大学入試センター, 研究開発部, 教授 (30212294)
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Keywords | イギリス / 学校選択 / 市場原理 / 協働 / 競争 / 教育政策 / 中等教育 |
Research Abstract |
イギリスにおいて1997年に政権に返り咲いた労働党は、教育に関しては、第1期においては保守党の市場原理的改革路線を引き継いだ。ところが第2期目になると競争よりもむしろ協働の方に軸足を移していったと言われる。労働党政権における教育政策には「協働(collaboration)」の理念があったのであるが、学校間の生徒獲得競争という準市場は厳然と存在していた。 2010年5月に保守・自由民主党連合政権が誕生したが、イギリスの(初等・中等)教育制度は、市場原理的要素とパートナーシップ・協働的要素が「混在」しているのではないかと考えられる。本研究は、このような課題意識の下に、イギリス(イングランド)を対象として、学校選択制度下において「競争」原理と「協働」原理が、如何なる構造の下に、どう作用しているのか、そして、そこに学校間の教員同士の協働を発揮させる可能性があるのかを検証しようとするものである。 本年度は2010年5月の総選挙で、1997年以来、政権の座についてきた労働党が破れ、保守党・自由民主党の連合政権が発足しことに照らし、保守党の教育改革政策を分析することが大変重要であるとの認識の下に、(1)保守党・自由民主党の教育改革文書・政策の分析。(2)保守党系のシンクタンクの教育改革案と(1)の関係の分析、を行った。さらに、23年度に繰り越した研究として、競争と協働に関する中等学校長を対象とした調査票を作成し、調査を実施した。
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