2010 Fiscal Year Annual Research Report
1990年代以降の学歴と初期キャリアの動態に関する比較研究
Project/Area Number |
21530878
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩井 八郎 京都大学, 教育学研究科, 教授 (80184852)
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Keywords | ライフコース / ポスト・フォーディズム / 初期キャリア / 学歴 / ロスト・ジェネレーション / 転職 / 非正規雇用 / 晩婚化 |
Research Abstract |
本研究は、1990年代半ば以降の日本社会において、男女の学歴と初期キャリアの関係がどのように変化してきたのかを、実証的なライフコース分析によって明らかにすることを目的としている。平成22年度は、2005年「社会階層と社会移動」(SSM)調査の分析結果、ならびに2009年1-3月に実施したJGSS-2009ライフコース調査の分析結果について、国際社会学会、家族社会学会、教育社会学会、社会学会で報告した。国際社会学会では、1970年代から90年代まで変化が乏しかった女性のライフコースが近年著しい変化を示している点を、1970年代以降に出生した女性の学歴別の経歴の分析から明らかにした。JGSS-2009ライフコース調査の分析結果は、国内の学会で報告した。調査対象に含まれる3つのコーホート(1960年代後半出生、70年代前半出生、70年代後半出生)の比較から、男性の場合、大卒でも高卒でも70年代後半出生において、20歳代の経歴のなかで無職の割合が高まり、転職の増加、職業威信の低下などの特徴がある点を示した。女性の場合も、初期キャリアの流動性が高まっており、大卒と短大卒については、若い出生コーホートにおいて職業威信が低下している点が明らかになっている。このような結果は、学校教育と職業キャリアとの関係を再編するために貴重な資料となる。なお、JGSS-2009ライフコース調査の調査対象者には、平成24-25年度に継続的な調査を実施する場合に協力する意向があるかを確認したが、約900名から協力の意向を得ているので、今年度は、住所確認の作業を行った。
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Research Products
(6 results)