2009 Fiscal Year Annual Research Report
「流動モデル」学歴の機能に関する研究-社会人・大学院教育・労働市場-
Project/Area Number |
21530892
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
吉田 文 Waseda University, 教育・総合科学学術院, 教授 (10221475)
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Keywords | 流動モデル / 専門職大学院 / 社会人 |
Research Abstract |
当該年度は、1)日本高等教育学会第12回大会(2009.5)において、法科大学院在学者に関するアンケート調査結果の報告、2)教職大学院在学者に対するアンケート調査の実施(2009.10)、3)アメリカのプロフェッショナル・スクールが抱える課題、その研究状況に関するヒアリングおよび資料収集、4)日本の専門職大学院の機関と対象としたた事例調査を中心にとりまとめた『航行をはじめた専門職大学院』の刊行(2010.3)が、主たる研究成果である。 1)に関しては、「フルタイムで就業している社会人」、「辞職者」、「就業経験のない者」の3者間で法科大学院の教育の効果の表れ方が異なり、辞職者において効果が表れてはいるものの、大学院終了と司法試験との乖離という構造的問題が狭間にあって大学院教育に対してネガティブな態度をもっていることが明らかになった。 学会発表にもとづき、論文を執筆中。 2)に関しては、有効回収数は121票であり、現在、基礎集計を行った段階にある。2010年度において分析を実施し、論文執筆を予定している。 3)に関しては、ボストン・カレッジ、カリフォルニア大学バークレイ校、カーネギー教育振興財団、ニューメキシコ大学を訪問し、関係者へのヒアリングおよび資料収集を実施した。その結果、個別のプロフェッショナル・スクールは、その背後に職業団体の力が強固に働くため、それと大学との緊張関係があること、また、大学は実務家教員の存在をどのように扱うかが課題となっていることが明らかになった。 他方で、アメリカではロースクール、メディカル・スクールなど個別のプロフェッショナル・スクールに関しての研究があり、カーネギー教育振興財団ではそうした研究プロジェクトが進行中であるものの、プロフェッショナル・スクールの個別性が高いために、それを横断するような視点での研究がなされていないことが明らかになった。
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Research Products
(3 results)