2012 Fiscal Year Annual Research Report
教員の不正行為に関する研究-カンボジアを事例として-
Project/Area Number |
21530898
|
Research Institution | Osaka Jogakuin College |
Principal Investigator |
前田 美子 大阪女学院大学, 国際・英語学部, 准教授 (70454668)
|
Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | カンボジア / 不正行為 / 汚職 / 教員 / ライフヒストリー |
Research Abstract |
多くの途上国にとって、教員の汚職・不正行為は国家の健全な発展を阻む一要因となっている。本研究は、主に質的研究方法を用いて、カンボジアを事例として教員をめぐる不正行為の実態を調査し、その背景とメカニズムについて考察することを目的とする。 今年度は、以下の研究活動を行った。(1)昨年度行った予備調査のデータ分析を行った。また、現地調査チームのフィードバックに基づいて、調査方法について再検討した。(2)10月27日~11月2日の期間、現地調査を行った。現地調査チームは昨年度のメンバーに1名加えて4名とし、二つのグループに分かれてカンダール州で聞き取り調査を行った。 調査対象者は9名で、教員組合の紹介を受けた小学校、中学校、高等学校の現職教員及び退職教員である。昨年度の予備調査で得られなかった、50年代、60年代の教員の不正行為に関する情報を中心に集めた。(3)日本訪問中のカンボジア教員にも聞き取り調査を行った。(4)国際開発学会(神戸大学:2012年12月)、東アジア教師教育研究国際大会(上海:2012年12月)、アメリカ比較国際教育学会(ニューオリンズ:2013年3月)において、予備調査の結果を中心に報告した。また、これらの学会において、分析方法などについて新たな視点を得ることができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初研究計画通り、(1) 昨年度までに2回の現地調査を実施できた。(2)先行研究を批判的に検討する作業が進んでいる。(3)関連学会で研究成果を発表している。
|
Strategy for Future Research Activity |
昨年度行った調査のデータ分析を以下のように行う。(1)昨年度の調査データの翻訳作業を行う。(2)調査協力者らと分析方法について協議する。(3)質的調査分析ソフトで、データの整理・分析を行う。 また、現地調査を以下のように行う。(1)昨年度までの現地調査で得られなかった情報を収集するための方法について考察する。(2)現地調査チームを再編成し、現地調査に関しての打ち合わせを行う。(3)現地において、調査対象者にインタビューまたはアンケート調査を行う。また、現地において関連文献を収集する。(4)インタビューのトランスクリプトの作成・翻訳を行い、データの分析作業を行う。 さらに、調査の分析結果を関連学会・雑誌で報告する。
|