2010 Fiscal Year Annual Research Report
就学人口減少地域における公立小中学校の統合モデルの構築と社会的費用の研究
Project/Area Number |
21530901
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
葉養 正明 国立教育政策研究所, 教育政策・評価研究部, 部長 (30114119)
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Keywords | 学校統廃合 / 少子高齢化 / 学校の統合効果 / コミュニティ施設としての学校 / 廃校の選定基準 / 廃校の活用 / ソーシャルキャピタル |
Research Abstract |
今年度は、(1)学校統合効果に関連する中学生対象の意識調査の継続(統合前の学校における意識調査結果と統合後の学校における意識調査結果とを対比するための後段調査の実施)、(2)学校統合の地域社会的効果を統合後の人口移動に着目して究明、(3)少子高齢化に対応する学校統合モデル構築のための海外事例の調査、の3点を焦点に研究が進められた。 (1)に関連しては、報告書(「学校統合前後の中学生を取り巻く学習と生活に関する意識調査-学校の統合効果に関する研究(その2)」、平成23年3月)を所属研究機関の経費を活用し刊行している。統合以前の生徒の意識調査は平成22年2月実施、統合後の生徒の意識調査は平成22年10月実施であったが、両調査の結果を対比すると、学校統合という要因によって生徒の学習環境等が変動しているかどうかについては、今後の変動を予測させる兆しは見られるが、この縦断調査の段階では、統合効果と言えるほどの明確な変化はとらえられないことがわかった。なお、学校統合が学級崩壊等の出現要因になっている事例が何校か見られるので、それに関連した背景要因の分析などの方が、今後は重要になると考えている。 (2)に関連しては、人口移動と学校統合との関係が明確に見られる事例は限定されることが判明したので、今後は、廃校とする学校の選定基準等の研究を継続し、東日本大震災に伴う廃校活用等との関係に研究方向を転換することを考えている。 (3)に関連しては、イギリス・ロンドンのインナーシティの学校設計を知るため、ロンドンを訪問した。「質の高い学校」づくりを進める手法として、地域コミュニティ再生計画と抱き合わせに学校設計を進める方式は、学校統合モデルの構築のための手法となり得ることがわかった。
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Research Products
(48 results)