2010 Fiscal Year Annual Research Report
へき地小規模校における初等理科教育支援についての研究
Project/Area Number |
21530908
|
Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
境 智洋 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (40508537)
|
Keywords | 初等理科教育 / へき地小規模校 / 教員研修 / 小学校 / 理科支援 |
Research Abstract |
北海道におけるへき地小規模校の理科教育に関する研修をサポートするシステム作りのために、22年度は、以下の調査及び公表、システムづくりを行った。 調査結果の分析と公表 21年度末に北海道における理科に関する児童生徒の実態及び教員の実態を把握するために北海道立教育研究所附属理科教育センターと共同で全道の小・中・高等学校の抽出調査及び、全校児童50名以下の北海道内小規模校(400校)において悉皆調査を行った。本年度は調査の詳細な分析を行い23年3月に中間報告書として発行し、北海道内の教育関係機関へ送付した。これらの調査から、道内の小規模校の児童と教員の姿が明らかとなり、その課題が見いだされた。特に、教員においては、理科実験を積極的に行う傾向があるが、備品不足や、研修の機会が不足していることに課題が見られた。23年度末に同様の調査を実施し、21年度との比較及び、へき地理科教育の学習形態や学習状況について詳細に調査を行う。 システムの構築 21年度に道東科学教育支援ネットワーク(DOTOねっと)を立ち上げ、理科に関する教員の研修を支援するシステムの素地を構築した。このネットワークを基礎に月1回の理科研修会を釧路市遊学館で定期的に実施し、道東の理科教育の拠点を形成した。またDOTOねっとを拠点とし、羅臼町・標津町・弟子屈町・釧路町で授業実践及び理科の校内研修会を行って、都市部と小規模校の研修ネットワークの基礎を築いた。さらに、都市部の教員が、地方の学校の校内研修会の講師として派遣し成果が上がっている。調査から研修機会の不足が挙げられたが、このシステムが整うことで、へき地の研修機会をより拡大する目処が出来てきた。 22年度は、都市部(釧路)の研修拠点が確立し、この拠点をもとに地方の理科教育の研修を教材面及び指導面で支援するシステムが出来つつある。
|