2009 Fiscal Year Annual Research Report
教えて考えさせる理科授業の創造-演繹的推論に基づく習得型理科授業の構築-
Project/Area Number |
21530915
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
益田 裕充 Gunma University, 教育学部, 准教授 (30511505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 彰 群馬大学, 教育学部, 教授 (40152285)
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Keywords | 演繹的推論 / 帰納的推論 / 習得 / 活用 / PISA型読解力 / 教授ストラテジー |
Research Abstract |
本研究の目的は、我が国の理科授業における推論に関する教師の価値観を明らかにすることである。さらに、その背景となる教科書に掲載された観察・実験の推論過程の位置づけを明らかにし、全体の傾向を考察する。そして、演繹的な推論を用いた理科授業が子どもの科学的な概念形成に与える影響を明らかにし、演繹的推論に基づく習得型授業としての教授ストラテジーを示すことである。このために、平成21年度は、我が国の推論に対する教師の価値観調査および我が国の推論に対する教科書の記載史調査を実施し、今後の演繹的推論を用いた授業実践による基礎的なデータを収集した。さらに、演繹的推論による教授ストラテジーの構築をめざすため、演繹的推論による授業を実施し、この授業によって、子どもの科学的な概念の形成や情意的な側面がどのように変容を遂げるのか、小学校の理科授業を中心に事例的な検証を行った。具体的な成果として、子どもにとらえさせた一般法則をどのような方法で証明するのか実験の方法を探究させる授業についての有効性を抽出でき、さらには、情意面において、学力の中位群や下位群の子どものコミットメントが上昇する授業を抽出することができた。また、推論に対する教師の認識について、教科書や指導案といった調査から、授業研究会におけるやりとりの局面の調査へと研究を深化させることができた。これちの成果は、2本の査読付き論文として発表した。同時に、研究の方向性や新規性について学会レベルで検証を行うため、研究協力者と全国大会で発表した。本研究の目的は、教授ストラテジーの構築を試みることにある。そこで、今後は、より多くの授業を構想し実践的なデータを収集し、子どもの科学的な概念の形成に与える影響について調査・研究を深化させることが目的である。
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