2011 Fiscal Year Annual Research Report
調理技能の習得を中核とした家庭科食生活教育カリキュラムに関する実践的研究
Project/Area Number |
21530916
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
河村 美穂 埼玉大学, 教育学部, 教授 (00361395)
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Keywords | 調理技能 / 食生活教育 / 家庭科教育 / 手続き的知識 / 概念的知識 |
Research Abstract |
本年度は、以下の通り3つの研究を行い、以下の成果を得た。 (1)調理に関する知識と技能の習得を電子レンジ調理習得の実態から考える。 (1)小学校2年生段階でも、概念的知識をともなった調理学習により日常的に電子レンジを活用するようになった。(2)概念的知識に関する学習は、調理実習における手続き的知識の習得を促すと考えられる。(3)概念的知識よりも手続き的知識を重視して理解し、調理技能を習得する児童もいる。 (2)調理実習の試食と技能習得との関連 試食時の語りと調理技能の習得に明確な関連は見られないが、嫌いなものを調理する場合には調理技能の習得に対する認知・関心が低下する。嫌いなものを試食する児童の特徴は次の4点である。 (1)調理の語りが少ない(2)調理への関心・意欲が実習前後で低下する(3)調理技能の認知得点が低い(4)試食時間が長い (3)やってみてわかる調理の頃合・学びの様相 調理を経験してわかる「頃合」とは、他者からあらかじめ教わるのではなく、それぞれの児童が自身の調理技能や知識の実態にあわせて獲得する個別的な身体的知識であるために、その後の活用が期待できるものと考えられる。 以上のことから、調理技能を中核とした食生活カリキュラムの要件を示した。
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