2011 Fiscal Year Annual Research Report
反省的実践家としての家庭科教師の育成に関する理論的・実証的研究
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21530922
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
磯崎 尚子 富山大学, 人間発達科学部, 教授 (70263655)
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Keywords | 教師教育 / 家庭科教育 / 教師知識 |
Research Abstract |
本年度は、目的に従い下記の研究を行った。 理論的研究として、まず、諸外国の家庭科教育についてイギリスを取り上げ、フード・テクノロジーの特色について分析した。その結果、フード・テクノロジーはデザイン・プロセスが基盤どされていることを明らかにし、わが国の小学校家庭科教育の調理実習への示唆を得た。次に、富山県における家庭科教育(小学校)における研修のあり方について調査した。特に、富山県における小学校における授業研究の嚆矢は、明治24年の師範学校附属小学校「附属小学校管理規定」で、明治後期以降、附属小学校は富山県における教育研究や授業研究に関する地域の教育の応用的・技術的な場として位置づけられることになったことなどが明らかとなった。戦後においては、教育委員会による教職ライフステージとニーズに合わせた研修(授業研究を含む)が行われているが、生涯にわたる教師としての専門的成長の視座からすれば、養成教育との一貫性が必ずしも図られているとは限らないことが明らかとなった。 臨床的研究として、本年度は小学校教師(家庭科担当)の教師知識に関するオンラインモニタリング調査及び面接を実施した。ここでは初任教師3名と熟達教師3名について分析を行った。結果に関しては、発話量と発話内容による違いについて分析中であるが、現在までのところ発話量及び発話内容ともに両者に違いがあることが明らかである。またこの調査に合わせて、これまでに行った中学校家庭科教師の教師知識に関する調査データと、今回の小学校教師の調査データを比較して、発話内容め違いについて分析中であるが、両者の発話内容に校種の違いが認められる。さらに、教育実習前後での教育実習生の教えることなどの自信や不安などの変容についてアンケート調査を行った。現在分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理論的研究に関しては、これまで教師教育や授業研究、諸外国の動向などを分析し、それらをまとめいくつかの論文として公表してきた。実証的研究に関しては、各種実態調査を行うとともに、理論的研究から得られた知見などをもとに、授業実践なども試みた。ただ、これまで行ってきた研究や本年度行った実態調査についてのデータについては一部で分析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は最終年度に当たるため、これまで収集したデータを目的に基づいて分析、整理する。そして、そこから得られた知見に基づき、教育実習の質的改善や教職科目の授業法改善、現職教育における授業研究のあり方への示唆を得るとともに、可能な範囲で具体的に教員養成教育へ取り入れていくことを試みる。
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Research Products
(2 results)