Research Abstract |
本研究の目的は,小学校・中学校・高等学校の新学習指導要領(算数・数学)において充実された統計の指導が現状で指導教材や指導法が共有されていない実態を受け,諸外国のカリキュラム・教科書・統計ソフトを収集・検討しながら,日本のカリキュラムに合った統計ソフトの開発,そして,教材開発と実践を行い,その成果を広く公開することにより学校現場に寄与することである。 平成22年度は,主として以下の点に関して研究を進めた。 1,新学習指導要領の移行期間の初年度に当たるため,教師の統計に対する意識や統計指導に関する実態調査の枠組みについて,メンバー全員で検討した。これを受け,調査問題を作成し,統計の指導が行われる年度末に発送・回収した。(集計は平成22年度に行う) 2,平成21年度から使用される教科書会社(6社)の移行措置資料(補助教材)について,教材の内容・量・配列やコンピュータの使用状況などを分析・比較し,考察を加えた。 3,統計ソフトの開発するために,授業での指導を考えた学校現場からみた操作性,数学教育の見地からみた専門性,ソフトウエア開発者の見地から見た専門性などの視点から統計ソフトの仕様について検討した。その際,海外で市販されている統計ソフト(Fathom)でどのような機能があるかを検討した。こられの検討から,中学校第1学年用の統計ソフトstathistを制作してweb上に公開した。公開した統計ソフトの適切な使用を促すためのマニュアルをつけた。 4,日本科学教育学会・年会(平成21年8月25日)において,自主企画課題研究「初等・中等教育における統計教育の改善に関する実践研究と今後の展開へ向けて」を企画し,「児童・生徒の統計に対する見方・考え方」「ICT(コンピュータなど)の活用」について情報を共有した。
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