2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530930
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
峯 明秀 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (10379323)
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Keywords | PDCA / 社会科 / 授業改善 / レッスンスタディ / 協働 |
Research Abstract |
昨年度までの研究において,筆者は,理念や本質論の異なる社会科授業を外部から見取り,評価・改善をせまっていた従来の授業改善と異なる授業改善の方法論を提出した。それは,資質形成の違いによりて類型化される授業の内在的なPDCAを確定し,さらに各々の授業観に基づく授業構成と,他の相違を比較・統合する外在的なPDCAを行う資質形成の相違に応じた螺旋PDCAによる社会科授業改善の方法論である。 本年度は,1000人を超える会員からなる全国社会科教育学会のシンポジウムおよび社会系教科教育学会の課題研究において発表し,研究者や実践者から批判を受けることにより,理論の精緻化を図った。昨年までの理論研究から本年度は現実の教育現場で,何を,どのように具体的に行うことが授業改善に繋がるのかを課題として残した。そこで,本年度の後半は,最近のアメリカにおけるレッスンスタディの研究動向を踏まえ,実験的な授業検討会を行った。 従来の社会科の研究授業や実践後の検討会では,授業観の違いが問題にされないまま,評価や批判が行われていた。そして、計画・実践の段階,カリキュラム・単元・1時間のレベルを分けずに、意見・感想を述べるにとどまっていた。これからの授業研究・検討会では,授業の目的・内容・方法を明らかにし,どのような証拠によって見取られるのかを事前に示した上で行う必要があることを見出した。そこでは,授業構成と評価の観点・基準・方法・手段との妥当性を吟味する必要がある。そのような授業研究を行うには,開かれた生産的な授業研究が、教育現場で根付く必要がある。研究者と実践者との協働や支援,グループや学校における組織的な取り組みが求められることとした。
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Research Products
(5 results)