2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530930
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
峯 明秀 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (10379323)
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Keywords | PDCA / 社会科 / 授業改善 / アクションリサーチ / レッスンスタディー |
Research Abstract |
本年度は,前年度までに提出した資質形成の違いから類型化される社会科の各授業類型に応じたPDCA理論の実証にとりかかった。4授業類型のうち,社会の見方・考え方を探究する社会科を目指す授業者はどのように授業を計画・実践し,評価・改善を行うのか,資料収集・授業分析を行った。 研究対象は,(1)和歌山県海南地区の中学校教員グループ,(2)香川県中学校社会科研究会である。(1)では,研究推進の中核となる授業者2名に対するアクションを加えた。また,海草地区の教員集団に対する授業検討会をもった。授業者が計画段階で目指す学習成果は何か,実践によって,学習者にそれが獲得されているかどうかを省察することの重要性を指摘した。しかしながら,授業者自身による省察を促すにとどまり,知識の構造化・組織化の理解については不十分な点が残された。 (2)では,教員組織・集団に対して,それぞれの状況に応じ必要とされるアクションを加えた。組織の中心的な研究推進者や若手教員の授業の変容を収集している途中にある。とくに,どのような評価観点から自らの授業改善を図ろうとしているのかを,授業者とともにVTRを検証し改善要素を抽出する試みをしている。 (1)(2)では他の授業類型に応じたPDCAを俯瞰し,螺旋的に授業改善を積み上げるには至っていない。また,教科の固有性に照らして,社会諸科学と認識・行動との関係からPDCAがどのように行われるのかについて焦点化されなかった問題が生じてきている。次年度以降の新たな課題としたい。
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Research Products
(6 results)