2009 Fiscal Year Annual Research Report
地域のスケールに応じた地誌学習の課題発見内容とカリキュラム開発
Project/Area Number |
21530931
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
吉水 裕也 Hyogo University of Teacher Education, 学校教育研究科, 准教授 (60367571)
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Keywords | 社会科教育 / 地理教育 / スケール / 課題発見 / 地誌学習 / 系統地理学習 |
Research Abstract |
本年度は研究の初年度であるため,文献の収集を行った上で,以下の内容に取り組んだ。 (1)地理学における地域スケールに関する文献研究 地理学研究のうち,スケール概念を方法論として用いている研究として浮田典良や高橋伸夫の研究をレビューした。また一方で,スケール概念を方法概念ではない「地理的スケール」ととらえる立場の代表として,山崎孝史の研究をレビューした。これらの研究から,地理学におけるスケール研究では,地図学的スケールや方法論的スケールに関する研究から,より地理的現実を反映した人文・自然景観を形成する特定の具体的プロセスに即した意味内容を持つ地理的スケールへと発展しているという知見を収集できた。また,これらは,ルフェーブルの「空間の生産」という概念が基盤になっているという知見が収集できた。 (2)スケール概念を視点とした地理学習内容分析のためのフレームワーク構築 前述の浮田,山崎の他,スケール概念について言及している,柑本,スミス,ルフェーブル等の研究を参考に,地域のスケールに応じた地理学習の課題発見内容の適切化を図るための分析フレームワークを構築した。 (3)系統地理学習プランの試験的開発 これまでの研究成果を踏まえ,農業を主題にした系統地理学習の学習プランを試験的に作成した。最終的には,これらを地誌学習に応用していくつもりである。この結果は,2010年6月に行われる人文地理学会特別例会に於いて口頭発表予定である。
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