2011 Fiscal Year Annual Research Report
地域のスケールに応じた地誌学習の課題発見内容とカリキュラム開発
Project/Area Number |
21530931
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
吉水 裕也 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (60367571)
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Keywords | 社会科教育 / 地理教育 / 課題発見 / スケール / 地誌学習 / コミュニティ |
Research Abstract |
昨年度は,フードシステム論と地理的スケールの概念を用い,異なったスケール間の関係性を捉えることができる中学校地理的分野「身近な地域」の単元開発を行った。あるスケールで起こっている事象が,異なったスケールからどのような影響を受けながら生成・変化し,空間をつくり出しているのかについて捉えることが肝要であるということを理論的に整理した。 そこで今年度は,以下の3つの課題に取り組んだ。 1)地域コミュニティというスケールでの様々な活動を空間的に捉える際に,国家や都道府県などの自治体との関係,そしてコミュニティを構成する個人やボランティア団体,NPOなどのそれぞれの主体を,マクロ~ミクロなスケールと捉え,それぞれの関係性の中からコミュニティ空間がつくり出されていくことを,地域のガバナンスの問題として捉えた単元開発を行うこと。 2)人口問題を題材に,中学校社会科地理的分野の学習内容をスケール別に整理すること。 3)新学習指導要領に準拠した地誌学習の実践例を収集すること。 今年度の研究成果は以下のように整理される。 1)防災をテーマにガバナンスのアクターを育成するコミュニティ問題に関する単元開発を行い,社会系教科教育学会(平成24年2月)で口頭発表した。 2)人口問題のうち特に少子高齢化問題について,税と社会保障の一体改革という観点から捉え直し,単元開発を行った。これについては平成24年度に学会発表する予定である。 3)実践例収集のため,「マルチ・スケール地誌学習研究会」を創設し,社会科実践に関する研究報告会を3回実施した。これによって実践例を収集している。この研究会は今後も継続し,実践例収集と,研究交流を図る予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に沿って,研究が遂行され,またその成果も定期的に学会発表や論文発表によって公開しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は,本研究の最終年度となるため,これまでの研究の成果を整理して発表する予定である。今年度は学会における口頭発表の他,冊子体の報告書を作成し,研究成果を公開する予定である。
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