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2011 Fiscal Year Annual Research Report

検定初年度(昭和23年度)における国語教科書検定の実態に関する調査研究

Research Project

Project/Area Number 21530937
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

吉田 裕久  広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (80108373)

Keywords戦後初期 / 高等学校 / 検定国語教科書 / 教科書検定 / 文部省検定 / GHQ/CIE検閲 / 検定意見 / 教科用図書検定基準
Research Abstract

1.検定初年度(昭和23年度)の検定は、その後の検定国語教科書に大きな影響を及ぼしている。その検定過程は、まず文部省で検定され、次いでその英訳原稿がCIEで検定(=検閲)された。つまり、ダブルスタンダードであった。そのCIEに提出された英訳原稿が、NARA(米国立公文書館)に所蔵されている。4年間の研究のうち3年目の本年度は、高等学校の国語教科書を中心に、NARAへの現地調査を実施した。その結果、次のことが明らかになった。
2.高等学校国語教科書の場合、発足直後ということもあって、23年度内の検定には間に合わず、24年度-国定教科書『高等国語』(6冊)の継続使用、25年度-検定教科書使用開始ということになった。『国語』(教育図書)、『われわれの国語』(秀英出版)、『現代国語』(成城国文学会)、『新国語』(三省堂)(以上、4種合計21冊)が、検定出願に向けて準備に入った。先行する小・中学校国語教科書との大きな相違は、単元編成型の教科書でなければ合格しないという基準が明確になったことである。継続使用する国定教科書も、急ぎ、「学習の手引き」を挿入するなど、その対応に追われた。
3.24年度使用の『高等国語』、それに25年度使用の検定国語教科書に見られるCIEの具体的な検定(検閲)意見例として、次のようなものが見られた。
○日本武尊、天照大神、大国主命-伝説を明確に、○宗教(神、仏教)にチェック(「梁塵秘抄」の後半も)、○「勝つまで戦い続けなければならない」、ファイティング(オリンピック)、「わが青春に悔いなし」などの表現(戦闘につながるからか?)が不許可、○夏目漱石「吾輩は猫である」の芸者ガール、またヤンキーなど表現・語句の削除、つまり神道・天皇・占領軍、風俗などに関する内容面・語彙面への検定(検閲)が行われた。○翻訳の稚拙さゆえの表現・語句の訂正は、小・中学校と同様、相変わらず目立った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

今年度までに予定していた調査を予定通り実施できている。今年度は、高等学校の国語教科書を中心に調査を実施した。前後の時期を含めて、昭和22年~同25年に至る所蔵資料のほぼ全てを調査したつもりである。その結果、昨年度までに実施した小・中学校の場合と同様、GHQ/CIEの検定(検閲)の厳しい実態が次第に明らかになってきている。

Strategy for Future Research Activity

今後は、次年度が本研究の最終年度なので、次の二つのことが主たる課題となる。
(1)これまでの調査で不十分であったり、見過ごしていたりする資料について、補充・補完調査を実施すること
(2)これまでの調査に基づいて、検定初年度における国語教科書検定の実態を分析・考察し、報告書にまとめること

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Published: 2013-06-26  

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