2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530941
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
植田 敦三 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (50168621)
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Keywords | 算数教師 / 専門的力量 |
Research Abstract |
本研究は,初等教育教員としての専門的力量に関する検討を踏まえ,教科専門科目(「算数」)のカリキュラムの課題を明らかにするとともに,その改善を図ることが目的である。目的を達成するために本年度取り組んだ主な内容と成果は以下のとおりである。 (1)カリキュラム開発について 探究活動に焦点を当てた教科専門科目(「算数」)の単元(「数と計算」「立体図形と平面図形」等)を開発し,それらを複数の大学の小学校教員志望学生を対象として実施し,その有効性について評価するとともに,その改善を試みた。数学的知識の再発見,再構成をとおした学び直しのための機会を提供することが有効であった。これらの取り組みをとおして,各教員志望学生が持っている数学に関する既有知識を児童の学びのための学習材という視点から数学を捉え直すための橋渡しを行う初等教科内容学に関する科目の必要性を改めて確認することができた。 (2)算数科教師の専門的力量形成について 算数科教師の成長に対する協働的活動の有効性を検討するために,本年度も継続して,大学教員,附属小学校教員,公立小学校教員,大学院生によるワーキング・グループを構成し,算数科カリキュラム開発に関する協動的な取り組みを展開した。このワーキング・グループ活動での参加者の活動分析をとおして,算数科教師として必要な専門的力量について考察した。その結果,小学校算数科の内容の背景にある数学に関する専門的知識の構成とそれを学習材として変換する専門的知識,及びこれらの知識を相互に関連させながら学習材を継続的に改善する姿勢が大きな役割を果たしていることが確認できた。また,この取り組みの副産物として,小学校算数科と中学校数学科との接続に関する実践的研究を展開することができた。
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Research Products
(2 results)