2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヨハネス・イッテンの芸術教育における理論的基盤と教育実践との連関
Project/Area Number |
21530947
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
金子 宜正 Kochi University, 教育研究部・人文社会科学系, 教授 (20263965)
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Keywords | ヨハネス・イッテン / バウハウス / イッテン・シューレ / 美術教育 / イッテン日記 / エヴァ・プラウト / 国際情報交換 / ドイツ:スイス |
Research Abstract |
2009年には、拙稿が掲載された研究書籍がドイツで相次いで出版された(《Esoterik am Bauhaus》Schnell&Steiner出版社、《Boris Kleint》Kruger出版社)。私が研究対象としているヨハネス・イッテンが在職していたバウハウスは2009年に創立90周年を迎え、ヴァイマール・デッサウ・ベルリンのバウハウス関連資料が一堂に会する大規模な展覧会がベルリンで開催された。私は同展覧会のオープニング式典に招待され、前述のドイツで出版された書籍の内容も含めて、現地の研究者たちと最新の研究動向について意見交換を行うことができた。これまでに私は、イッテンと日本人画家(水越松南や竹久夢二)との関わりを明らかにするとともに、イッテンの教え子、山室光子・笹川和子・エヴァ・プラウト等に聞き取り調査を行い、イッテンが指導上留意していた点やその芸術教育における特質について解明してきた。本年度は、これまでの調査研究を基盤として、更に、イッテンの手書きによる「日記帳」や「書簡」等にみられる記述を詳しく分析するとともに、新資料の調査研究を進めた。今回新たに調査した資料は、判読が困難なものが多く、内容の理解及び分析に時間をかける必要がある。今年度の調査研究の際にも、更に調査を要する資料の所蔵先が判明した。資料の所蔵主に直接資料調査についての交渉を行い、次回調査研究を行うための許諾を得たところである。イギリスの研究者からの依頼を受け、イギリスで出版されている国際学術誌へ寄稿する英語論文を執筆中である。尚2010年2月に「平成21年度高知大学研究功績者賞」を受賞した。これは[平成16年度日本デザイン学会年間論文賞](2004年)及び[2007年度『美術教育学』賞/美術科教育学会](2008年科研)を受賞したことを評価されたものである(いずれも本研究の関連研究)。
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