2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530951
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
織田 芳人 Nagasaki University, 教育学部, 教授 (40160874)
|
Keywords | 就学前の美術教育 / 立体構成 / 知育玩具 |
Research Abstract |
正多面体、半正多面体、デルタ多面体、および、ザルガラー多面体の中で、ワンタッチで折り畳みが可能であることを確認していた15種類の多面体から、正四面体、正六面体、正八面体の3種類を、玩具の第一段階の試作モデルに使用する形体とした。次いで、幼児が手に取って形体の変化・動きを体験できるような小型玩具の試作モデル、および、幼児が内部に入って空間感を体験できるような開口部を設けた大型玩具の試作モデルを制作した。 小型の試作モデルの素材には第一段階としてスチレンボードを使用した。大型の試作モデルの素材には、立体として保持する強度と総重量を勘案して、ポリオレフイン系樹脂ボードを使用した。さらに大型の試作モデルでは、それらの内部に幼児が入ることができるように、正四面体モデルで正三角形の開口部を2面に、正六面体モデルで正方形の開口部を2面に、正八面体モデルで正三角形の開口部を3面に設けた。 これら小型および大型の試作モデルについて、年中・年長の幼児を被験者とする操作実験を行い、また、幼児の保護者に対してアンケート調査を行った。その結果、自主的操作の点で、小型および大型の試作モデルは幼児用玩具として通用すると考えられた。ただし、正六面体と正八面体の大型試作モデルは、幼児が自力で操作できるように軽量化を図る必要があることがわかった。また、図形や形体の認知を促す点で、小型および大型の試作モデルには知育性があると考えられた。保護者の視点からは、小型および大型の試作モデルは幼児に受け入れられることが十分期待された。
|