2009 Fiscal Year Annual Research Report
図形認識に関する質的研究に基づく認識状況判定基準の開発研究
Project/Area Number |
21530953
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
川嵜 道広 Oita University, 教育福祉科学部, 教授 (80169705)
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Keywords | 図形概念 / 図形認識 / 図形指導 / 質的研究 / 図形指導モデル / 認識状況 / 認識論 / 授業構成 |
Research Abstract |
これまでの図形認識に関する質的研究の成果を授業構成に対して効果的に活用するために,図形認識の変容の鍵となる課題の設定や授業展開の工夫,板書,発問の仕方についての知見を整理した。そして,既に構築している4つの図形指導原理に基づいて,図形指導のモデルを設定した。 「算数教育の理論と実際第8章図形」では,小学校における図形概念,図形認識との関連から図形指導のモデルを捉え,新しい学習指導要領にも準拠したかたちで詳細に記述した。指導の背景として,まず,図形概念の特質を言語とイメージの観点から明らかにした後,図形概念の認識の特徴を整理した。そして,図形指導の実際の姿を,図形指導において用いられる指導用語や定義,性質の指導の観点から捉え,個々の図形概念の指導に関して認識論的見地から詳細に記述した。この著書により、小学校における図形指導の全容を明らかにすることができた。 また,近刊の日本数学教育学会研究ハンドブックの『図形概念』に関する項目を執筆し,これまでに発表されている160編以上の研究論文を分類整理し,データベース化した。図形概念や図形認識に関わる研究を網羅することで,自らの研究の位置づけを明らかにすることができた。 さらに,図形領域の授業観察,授業分析を継続的に行うことにより,図形認識に関する質的研究を推進し,図形認識の状況判定基準を開発するための基礎的データを集めることができた。
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Research Products
(1 results)