2012 Fiscal Year Annual Research Report
図形認識に関する質的研究に基づく認識状況判定基準の開発研究
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21530953
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
川嵜 道広 大分大学, 教育福祉科学部, 教授 (80169705)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 図形認識 / 質的研究 / 図形指導 / 認識判定基準 / 開発研究 / 図形認識過程 / 図形概念 / 認識の変容 |
Research Abstract |
本研究では,子ども全体の傾向性を解明する量的研究による研究成果と,個人の認識の変容をとらえる質的研究の研究成果をつなぐことで,個人の概念発達にも対応した指導過程を構想することを目指してきた。図形概念に関する『質的研究』では,子ども個人の内面における認識の変容に着目し,図形概念の認識過程を解明するための現象学的研究を行ってきた。 図形指導および図形認識に関する研究を綜合することにより子ども個人の図形認識の変容の過程を捉え,図形認識の状況を同定する評価問題および判定基準を設定するために,これまでは,主に小学校における図形領域を対象として,図形概念の理解状況を同定するための方策を探ってきた。 平成24年度は,学校数学における図形領域の中で,これまであまり分析の対象としていなかった中学校図形領域に焦点を当てて,図形概念の形成,図形認識の変容について研究した。特に,教科書分析を中心として,図形概念の形成のために理想とすべき指導の流れとともに,子どもの図形認識の流れに留意し,理想的な図形認識過程について明らかにした。その際,図形概念の二面性(言語的表象の側面とイメージ的表象の側面)に考慮して,2つの側面それぞれの様相に応じた認識過程になるように留意した。また,この図形認識過程に対応した授業を構想し,子どもの素直な図形認識の変容に基づいた授業を提案した。 図形認識の変容過程を解明することで,様相から様相へと変容するための条件も明らかにしたかったが,変容の条件を判定基準として体系化するまでには至らなかった。図形概念を形成する表現様式ごとの評価問題を作成することで,図形概念の2面性の観点から判定基準を設定することを,今後の研究課題としたい。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)