2010 Fiscal Year Annual Research Report
初等教育における確率概念の形成を意図したカリキュラムの開発
Project/Area Number |
21530986
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松浦 武人 広島大学, 大学院・教育学研究科, 准教授 (70457274)
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Keywords | 確率概念 / 共通概念経路 / 授業実践 |
Research Abstract |
本年度は,年齢の発達に伴う児童の確率判断の実態の変容を縦断的に考察するとともに,児童の実態に配慮した学習材及び学習指導過程のモデルを考案し,実践的検討を行うことを目的として,以下の研究を行った。 1.研究第1年次(平成21年度)の実態調査の被験者(広島県下の公立小学校3校:広島市立長束西小学校,東広島市立高美が丘小学校,竹原市立竹原小学校の全学年児童)を対象として,同一問題(具体的な問題場面における当たりやすさの比較問題:玉引き(分離量素材)の問題6題,ルーレット(連続量素材)の問題8題)による実態調査(第2年次)を実施し,児童の確率概念の実態を縦断的に把握・考察した。 2.Vinner,S.とHershkowitz,R.による共通概念経路の検定の手法を用いて,玉引き問題及びルーレット問題における異質の問題間の認知経路の検定を行った。その結果,第5学年の児童において,当たり玉の数が同数ではずれ玉の数が異数の玉引き問題(2)から,当たり玉の数もはずれ玉の数も異数の玉引き問題(6)への認知経路が検出された。そこで,実態調査の対象校である東広島市立高美が丘小学校の第5学年児童を対象に,検出された認知経路を配慮した学習材及び学習指導計画に基づく授業実践を通して,児童の確率概念の変容を考察・検証した。その結果,玉引き問題における当たりやすさの判断(数学的確率において当たりやすい箱を選択した児童の割合)が高まり,また,当たりやすさを児童が数量化した結果としての評定値と数学的確率としての基準値との偏差が小さくなるという変容が見られた。
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