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2009 Fiscal Year Annual Research Report

音楽構成要素の分解と再構築による聴音課題作成とその教育効果に関する研究

Research Project

Project/Area Number 21530995
Research InstitutionTokyo University of Technology

Principal Investigator

伊藤 謙一郎  Tokyo University of Technology, メディア学部, 准教授 (90386772)

Keywords聴音課題 / ソルフェージュ / フォルマシオン・ミュジカル / 音楽構成要素による分析
Research Abstract

平成21年度の主な活動は、国内外で刊行されている聴音課題(単旋律のみ)のテキスト収集と、その整理・分析を計画していた。
聴音のテキストは、国内は43冊、海外はフランスで出版されている70冊を入手し、それぞれのテキストが掲げている教育目標と課題形態の確認を行った。その結果、国内のテキストは8小節を中心とした短い課題が多く、幼児・子供向けから音楽大学受験生を対象としたものまで多岐にわたり、示されている指導方法も著者によってさまざまであることが把握できた。その一方、フランスのテキストは、2小節単位で8つのブロックに分けた16小節の課題を中心とし、それは初学者を対象とした比較的易しいレヴェルのテキストにも見受けられたのは意外であった。また、楽曲形式や特定の音楽様式、ハーモニーを意識した課題が多く、単に旋律を聴き取るだけでなく、テキストに付属のカセットテープやCDに収録された楽器演奏(音色)の聴き取りといったかなり実践的な課題が用意されているのも、国内のテキストにはあまり見られない注目すべき点である。
これは、フランスでは「フォルマシオン・ミュジカル」という、「聴音」や「視唱」といった元来の意味でのソルフェージュのほか音楽理論や音楽史も含めた「総合的なソルフェージュ教育」を重視し、国として教育の指針を定めていることが影響していると思われる。日本では、音高やリズムの弁別に意識が向けられているのに対し、さらに広く音楽を捉えようとする姿勢がフランスのテキストから読み取れることから、研究計画時に考えていた分析方法を一律に適用するのは、無理が生じる可能性がある。
テキスト収集が思いのほか手間取ったことに加え、上述の分析方法の再検討に時間を要したため、課題の分析作業は当初の予定から遅れている。しかし、分析方法の目途が立ったので、平成22年度中に分析を終わらせ、データ化まで作業を進める見通しである。

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Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

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