2011 Fiscal Year Annual Research Report
福島県における発達障害幼児の移行支援システムの構築
Project/Area Number |
21531005
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
松崎 博文 福島大学, 人間発達文化学類, 教授 (40114003)
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Keywords | 発達障害児 / 早期支援 / 保護者支援 / 移行支援 / 地域支援 / システム |
Research Abstract |
発達障害児に対する早期支援及び保護者支援の必要性と現状について先行研究の分析を行うと共に、保護者及び保育士、教師が必要としている情報や支援についての文献収集を前年度に引き続いて実施した。併せて研究代表者が委員を兼ねている福島市教育委員会の就学指導審議会と連携して、就学指導の問題点と適正就学指導の在り方について問題の所在を明らかにした。とりわけ福島市内の小学校を対象にした巡回指導において、通常学級でうまく適応できない発達障害児の就学前からの移行支援の問題点と、保護者の障害受容を始めとする保護者支援の重要性を明らかにした。とりわけ、就学前から学校教育への移行支援の課題を明らかにするために、福島市内13カ所の保育所主任のネットワーク会議を通して事例検討会を継続的に実施し、保育所における支援体制の在り方と保護者支援の在り方、専門機関との連携の在り方について課題を整理し、就学へ向けた移行支援用の支援シート(試案)を作成した。 福島県内における発達障害児の移行支援システムの構築に向けて、県内において先駆的な取り組みを行っている三春町教育委員会の取り組みと同町の5歳児発達相談事業を参考に、福島県版の早期支援システム(Fukushima Early Intervention System : FEIS)構想の構築に向けた取り組みに着手した。その一環として、平成23年11月に福岡教育、大学で開催された日本特別ニーズ教育学会第17回大会の課題研究「障害児保育と特別支援教育」に参加し、各地の取り組み状況についての資料収集と情報交換を行った。また、平成24年2月に福島県養護教育センターで開催された特別支援教育フォーラムのシンポジウム「発達や学びの連続性を支える幼小連携」に参加し、福島市における障害児保育ネットワークでの取り組みを紹介すると共に、福島県における発達障害幼児の移行支援システムの構築に向けてのデータ収集と情報交換を行った。加えて、附属小学校の少人数支援室「ほっとルーム」や附属特別支援学校の発達相談室「けやき」と連携し、発達障害幼児の早期支援、保護者支援、移行支援、地域支援の在り方について課題を整理した。しかしながら、当初予定していた大学内に設置した早期支援教室(「つばさ教室」)での実践研究は東日本大震災と原発事故のために開設できなかった。
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Research Products
(1 results)