2009 Fiscal Year Annual Research Report
視覚障害児における動作性知能アセスメントバッテリーの開発に関する研究
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21531006
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐島 毅 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (20241763)
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Keywords | 視覚障害児 / 動作性知能 / アセスメントバッテリー |
Research Abstract |
本研究は盲児,盲・知的障害児に実施可能な動作性知能評価法の開発を目的とし,本年度は予備的調査・資料収集を行った。具体的な研究実績の概要は以下の通りである。 (1)視覚障害児に適用可能な知的機能のアセスメントに関する先行研究の資料収集並びに課題を整理した。 (2)盲学校4校を訪問し,盲・知的障害児の行動観察をするとともに,教員を対象に盲児,盲・知的障害児に実施可能な動作性知能評価法に関する予備的調査を実施した。その結果,動作性アセスメントのニーズは非常に高く,特に2~6歳段階の知的発達水準の対象児に適用可能なツールの必要性が明らかになった。 (3)盲学校に在籍する盲児・盲知的障害児を対象に,ハプティック知覚による盲児の立体基本図形の認知の特性について実験に検証するとともに,立体的動作性知能評価バッテリーとして適切な評価教材の実際に適用上の課題(触覚的な認知の際に適切な大きさ,重さ)について検証した結果,基本立体図形の底面の大きさについては分割の有無によって適切なサイズが異なること,および対象児の年齢によっても配慮が必要なことが示唆された。 (4)立体的動作比知能評価バッテリーの試作し,盲学校において実際に評価を行い,立体の形態,立体の分割有無,分割の方向(水平・垂直面),分割数により課題達成の難易度に大きな違いが観察されたことから,評価法としての可能性が確認された。 (5)本研究の成果の一部は,日本特殊教育学会第47回大会において発表した。なお,現在学術雑誌への投稿を予定している。
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