2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21531008
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
長南 浩人 Tsukuba University of Technology, 障害者高等教育研究支援センター, 准教授 (70364130)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城間 将江 国際医療福祉大学, 保健学部, 教授 (80285981)
濱田 豊彦 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (80313279)
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Keywords | 人工内耳装用児 / 音韻意識 / 聴覚障害 |
Research Abstract |
人工内耳装用児の音韻意識に関して筆者が行ったこれまでの研究結果から、人工内耳装用児には、健聴児とも補聴器装用児とも異なる特有の発達が見られ、それには聴知覚的環境要因(人工内耳装用期間、人工内耳装用年齢)、教育環境要因(在籍校が聾学校か一般校か)、心理的要因(音のイメージの利用、習得語彙数、メタ認知能力)と関連を持つことが明らかにされた。そこで、このような背景をもつ人工内耳装用児に対する指導プログラムを開発し、その効果について検討することが今後の課題とされた。本研究は、人工内耳装用児の音韻意識に関連する要因のうち学校教育の指導場面に特に関係を持つ心理的要因を取り上げ、この点を考慮した指導プログラムを構築、実践し、効果の検討を行うことを本研究の目的とした。 今年度は、心理的要因の習得語彙数について、調査を行い、人工内耳装用児については、習得語彙数について調査を行った。その結果、補聴器装用児と比較した場合、全体的な語彙数は豊富であるものの、抽象語の習得が健聴児よりは遅れる傾向にあり、人工内耳装用児のうち、特に語彙発達に課題を抱える者は、音韻意識の発達にも遅れが見られた。このことから、習得語彙数と音韻意識の発達における関係性が示唆され、指導プログラムを構築する際の基礎資料を得ることができた。また、聴覚障害児のメタ認知能力に関する先行研究をレビューすることにより、人工内耳装用児の当該能力の発達課題を推察することができた。
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Research Products
(2 results)