2010 Fiscal Year Annual Research Report
発達障害児における不器用の要因解明と教育支援方法の開発
Project/Area Number |
21531012
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
奥住 秀之 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (70280774)
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Keywords | 発達障害 / 知的発達障害 / 不器用 / 粗大運動 / 微細運動 / 反復運動 / 教育支援 |
Research Abstract |
発達障害児・者の示す身体や手指の動きの「不器用」が近年注目されている。不器用とは運動・動作が巧みではない状態をさす。不器用により、学校生活の様々な場面で、困難が生じてくる。本研究の目的は、発達障害児・者の不器用の実態を多角的・多面的に明らかにし、結果に基づいて教育指導・支援方法の原則を考察することである。平成22年度の目的は、21年度に引き続いて発達障害児・者の不器用の実態と要因を解明することにある。不器用を検討する視座は、知的障害の有無、運動の速さと正確性の関係(トレードオフ関係)、道具との関係性、身体意識という4点である。対象(被験者)は、知的障害のある発達障害児・者(特別支援学校児童生徒、知的障害児者施設利用者)、知的障害のない発達障害児・者、健常児・者(幼稚園、小学校、大学等)である。21年度に引き続き粗大運動と微細運動とに分けて検討することに加え、運動の実行とともに運動の抑制という視点にも注目をして行なった。主な結果は似下の通りである。粗大運動として、昨年度と同様のステッピング課題とともに連続跳躍課題を行なった。ステッピングについては昨年度と同様の傾向が得られた。跳躍課題については、跳躍時間の変動性が小さい周波数があり、それより高くても低くても跳躍が困難で不器用の状態が強く出現することが明らかとなった。微細運動については手の打鍵反復運動のほか、試行的に上腕水平面単関節反復運動も行ない、いずれも先の連続跳躍と同様、時間の変動性が小さい周波数があり、それより高くても低くても跳躍が困難で不器用の状態が強く出現した。また、運動の抑制機能が不器用に影響する可能性も示唆され、注目すべき視点あると示唆された。次年度は、継続して実態解明・要因分析を行ないつつ、発達障害児の不器用の指導・支援の原則を考察することが課題である。
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Research Products
(4 results)